油ヶ淵

油ヶ淵


2010年平成22年)8月18日撮影の4枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

地図 油ヶ淵周辺地図
油ヶ淵の位置(愛知県内)
油ヶ淵
油ヶ淵 (愛知県)
愛知県地図
油ヶ淵の位置(日本内)
油ヶ淵
油ヶ淵 (日本)
日本地図
所在地 愛知県碧南市見合町1丁目
位置 北緯34度54分16.63秒 東経137度0分47.02秒 / 北緯34.9046194度 東経137.0130611度 / 34.9046194; 137.0130611座標: 北緯34度54分16.63秒 東経137度0分47.02秒 / 北緯34.9046194度 東経137.0130611度 / 34.9046194; 137.0130611
面積 0.64 km2
周囲長 6.3 km
最大水深 5[1] m
平均水深 3 m
水面の標高 1[1] m
成因 不明[1]
淡水・汽水 汽水[1]
湖沼型 富栄養湖[1]
プロジェクト 地形
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油ヶ淵水辺公園・自然ふれあい生態園(安城市東端町)

油ヶ淵(あぶらがふち)は、愛知県碧南市安城市の境にある湖沼。愛知県唯一の天然湖沼である[2]二級河川に指定されている。

名称

「油ヶ淵」の名前は、かつて内海だった油ヶ淵の湖畔(碧南市油渕町)に住んでいた母子の伝説(息子の漁の安全を祈る母のために、の主であるが娘の姿に化け、油を買いに来て岬を照らしたという伝説)に基づく[3]

地理

周囲6.3 km、面積0.64 km2、平均水深は3 m。海水と淡水の混じり合った汽水湖である[2]。流入河川には長田川、半場川、朝鮮川、稗田川があり、高浜川および新川を通じて衣浦湾へ流出している[2]。湖畔(碧南市側)には油ヶ淵に接していることに由来した「油渕町」という地名がある[4]

周辺には日本モーターボート選手会常設訓練所・勤労青少年水上スポーツセンターや油ヶ渕遊園地(花しょうぶ園)がある。

ギャラリー

  • 1935年(昭和11年)に流出河川として開削された高浜川
    1935年昭和11年)に流出河川として開削された高浜川
  • 安城市東端町
    安城市東端町
  • 油ヶ渕遊園地(花しょうぶ園)
    油ヶ渕遊園地(花しょうぶ園)

歴史

油ヶ淵の成立

現在の油ヶ淵一帯はかつて、洪積台地開析谷に連なる溺れ谷[5]、「北浦」と呼ばれる[2]入り江になっていた[5]

1605年慶長10年)に本多康俊西尾城主)が幕命を受け、米津清右衛門を奉行として[5]矢作新川の開削を行う[2]。木戸(安城市)から米津(現在の西尾市)の間に新たな堀割(長さ12町・幅20・深さ8間)が築かれたが、矢作川上流から流れる土砂が南の入海を埋めるようになり、鷲塚は半島に変わった[5]。また、湖面は矢作川の河床より低いことから、沿岸に洪水被害が相次ぐようになったため、江戸幕府1644年正保元年)に米津 - 鷲塚間に堤防を築き[2]、入海の一部を切断する形で油ヶ淵が誕生した[5]

排水路の開削

しかしその後、長田川や稗田川などの水が油ヶ淵に注ぐようになり、沿岸の村々が大雨の際に浸水被害を受けるようになったため[2]、江戸の商人である伏見屋又兵衛が新たな排水路建設を行い、油ヶ淵の周囲と矢作川沿いに新田(伏見屋新田)を築いたほか、1701年元禄14年)に大浜村千福で排水する新しい水路を計画[5]1704年宝永元年)までに現在の蜆川・新川に相当する排水路が建設された[2]

1908年明治41年)には油ヶ淵を水源とする平和用水が完成し、1975年昭和50年)まで農業用水として用いられた。豪雨時に沿岸の水田への冠水被害が続いたため[2]1935年(昭和10年)には新たな開削工事により、高浜川が完成した[5]1967年(昭和42年)以降は総合遊園地として整備が進み、釣り場・花ショウブ園などが設けられた[4]

公園の整備

高度経済成長期には工業排水や生活排水により汚濁が進み、東海地方では佐鳴湖静岡県浜松市)と並んで汚い湖沼とされた。その後は近隣自治体により浄化が進められるとともに、県営都市公園の油ヶ淵水辺公園として整備された。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e “日本の自然環境 > 26.湖沼概要と改変状況”. 生物多様性センター. 環境省 自然環境局 (1982年3月). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i “油ヶ淵について”. 油ヶ淵電子図書館. 2021年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。
  3. ^ “油ヶ淵水辺公園 パンフレット”. 愛知県. 2021年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。
  4. ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 198, p. 112.
  5. ^ a b c d e f g 平凡社 1981, p. 633.

参考文献

関連項目

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