2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ブダペスト

座標: 北緯47度30分23秒 東経19度02分33秒 / 北緯47.50639度 東経19.04250度 / 47.50639; 19.04250

2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ブダペストの位置(ブダペスト内)
会場
会場
テケル空港(ハンガリー語版)
テケル空港(ハンガリー語版)
会場

2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ブダペストでは、通算11シーズン目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2016年7月16日17日ハンガリーブダペストで行われた2016年シーズン第4戦について述べる。会場は通算9回目となるドナウ川[注 1]

概要

2014年のレース再開から成績が振るわないカービー・チャンブリス(アメリカ)は、シーズン開幕から3戦連続でポイントを獲得し、千葉戦では今シーズン初めて表彰台に乗るなど、復調の兆しを見せている[1]セーチェーニ鎖橋をくぐってのスタートはブダペスト戦の見どころの一つであるが、今回橋くぐりに初挑戦となるピーター・ポドランセック(スロベニア)とペトル・コプシュタイン(チェコ)の2名は、レース用のエアポートで橋と同じ高さにテープ[注 2]を張ったパイロンで練習に臨んだという[2]。レース・ディレクターのジム・ディマッテオは、「ただ橋をくぐればいいだけではない、その後にいかに早くトラックに入るかが重要であり、その逆もまた然りである」と述べ、パイロットの2人は母国が近いこともあり、期待を込めるコメントを寄せた[2]。初戦と第2戦で2位と1位になったものの、第3戦で8位と順位を落としたマティアス・ドルダラー(ドイツ)は、時差ぼけのないヨーロッパでのレースが続くことに期待を寄せ、ポール・ボノムも昨シーズンは第3戦で8位になったが、その他のレースは好調を維持して総合優勝を果たしたことを例に挙げ、自身が今シーズンのチャンピオンになると明確な目標をもって臨んでいる[3]。昨シーズンをもって引退したハンガリーを代表するエアレーサーであるピーター・ベゼネイが、これまでの功績をたたえて表彰された[4]

予選前日の7月15日に行われた2度のフリー練習では、フアン・ベラルデ(スペイン)、チャンブリス、室屋義秀(日本)の3名が58秒を切る好タイムを記録した(室屋は1本目はオーバーGでDNF)が[5]、季節外れの大雨の影響で7月16日に予定されていた予選は中止になった[6]。2戦連続で予選が中止になったのは初めてのことである。雨の影響で水位が上がり、ブダペスト戦恒例の橋をくぐってのスタートも中止となった[7]。レースの開始時間は順延が続き、16時30分にラウンド・オブ・8がスタートしたが、終了時刻が迫ったためファイナル4は中止となり[8]、ドルダラーが今シーズン2度目の勝利を挙げた[9]。チャンピオンシップポイントは規定に沿って75%に減少した上で加点された。チャレンジャークラスは予選・決勝ともに中止となった。

9月に行われた第6戦 ラウジッツで、チャレンジャークラスの試合が追加で代替開催された[10]

マスタークラス

ラウンド・オブ・14

ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
1 14 フランスの旗 フランソワ・ルボット DNF1 59.772 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 3
2 1 スペインの旗 フアン・ベラルデ 59.492 59.647 日本の旗 室屋義秀 2
3 9 カナダの旗 ピート・マクロード 1:02.7782 1:00.8653 イギリスの旗 ナイジェル・ラム 6
4 10 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 1:02.9344 1:00.480 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 5
5 4 オーストラリアの旗 マット・ホール 59.808 DNF1 チェコの旗 マルティン・ソンカ 13
6 12 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 1:05.1933 1:01.1515 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 7
7 11 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 1:05.0466 1:04.7637 イギリスの旗 マティアス・ドルダラー 8
凡例
ラウンド・オブ・8進出
ノックアウト(敗退)
敗者の中で最速(=進出)
  • ^1 オーバーGによりDNF(Did Not Finish=失格)[11]
  • ^2 ゲート6・ゲート7で水平角度違反で+4秒のペナルティ[11]
  • ^3 ゲート7で水平角度違反で+2秒のペナルティ[11]
  • ^4 ゲート13で水平角度違反で+2秒のペナルティ[11]
  • ^5 ゲート18で水平角度違反で+2秒のペナルティ[11]
  • ^6 ゲート19で水平角度違反で+2秒のペナルティ[11]
  • ^7 ゲート6で水平角度違反で+2秒のペナルティ、ゲート12で高度超過により+2秒のペナルティ[11]

ラウンド・オブ・8

ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
8 7 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 1:02.5781 59.236 オーストラリアの旗 マット・ホール 3
9 6 イギリスの旗 ナイジェル・ラム 1:01.689 58.942 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 2
10 4 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 59.456 1:01.3502 日本の旗 室屋義秀 5
11 1 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 58.653 1:03.1493 スペインの旗 フアン・ベラルデ 8
凡例
勝者
敗者
  • ^1 ゲート19で水平角度違反で+2秒のペナルティ[9]
  • ^2 ゲート7で水平角度違反で+2秒のペナルティ[9]
  • ^3 ゲート6・ゲート19で水平角度違反で+4秒のペナルティ[9]

最終結果


パイロット ポイント
1 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 11.25
2 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 9.00
3 オーストラリアの旗 マット・ホール 6.75
4 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 5.25
5 日本の旗 室屋義秀 4.50
6 イギリスの旗 ナイジェル・ラム 3.75
7 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 3.00
8 スペインの旗 フアン・ベラルデ 2.25
9 カナダの旗 ピート・マクロード 1.50
10 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 0.75
11 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 0
12 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 0
13 チェコの旗 マルティン・ソンカ 0
14 フランスの旗 フランソワ・ルボット 0

第4戦終了後のランキング

マスタークラス

パイロット トー
タル
1 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 41.25
2 オーストリアの旗 ハンネス・アルヒ 26.00
3 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 25.25
4 日本の旗 室屋義秀 22.50
5 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 22.00
6 イギリスの旗 ナイジェル・ラム 19.75
7 オーストラリアの旗 マット・ホール 18.75
8 チェコの旗 マルティン・ソンカ 14.00
9 カナダの旗 ピート・マクロード 12.50
10 フランスの旗 フランソワ・ルボット 10.00
11 スペインの旗 フアン・ベラルデ 9.25
12 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 6.75
13 チェコの旗 ピーター・ポドランセック 3.00
14 スロベニアの旗 ペトル・コプシュタイン 2.00
チャレンジャークラス(第3戦と同じ)

パイロット トー
タル
1 アメリカ合衆国の旗 ケヴィン・コールマン 24
2 ドイツの旗 フロリアン・バーガー 16
3 スウェーデンの旗 ダニエル・リファ 16
4 チリの旗 クリスチャン・ボルトン 14
5 ポーランドの旗 ルーク・チェピエラ 8
6 イギリスの旗 ベン・マーフィ 6
7 フランスの旗 メラニー・アストル 4
8 ブラジルの旗 フランシス・バロス 2

出典

脚注
  1. ^ 2010年第7戦は中止されたためカウントせず。
  2. ^ 警察が規制に使用するテープ。
出典
  1. ^ “Is Chambliss back to his best?”. Red Bull Air Race (2016年7月14日). 2017年1月14日閲覧。
  2. ^ a b “Pilots discuss their first flight under the bridge”. Red Bull Air Race (2016年7月14日). 2017年1月14日閲覧。
  3. ^ “Dolderer bouncing back after Chiba”. Red Bull Air Race (2016年7月15日). 2017年1月14日閲覧。
  4. ^ “Besenyei honoured by Red Bull Air Race”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2017年1月14日閲覧。
  5. ^ “Velarde and Chambliss show strength in Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月15日). 2017年1月14日閲覧。
  6. ^ “BUDAPEST UPDATE: QUALIFYING CANCELLED DUE TO WEATHER”. Red Bull Air Race (2016年7月16日). 2017年1月14日閲覧。
  7. ^ “ブダペスト:マスタークラス・決勝リアクション”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2017年1月14日閲覧。
  8. ^ “LIVE UPDATES: Budapest 2016 Race Day”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2017年1月14日閲覧。
  9. ^ a b c d “Dolderer unstoppable in Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2016年7月18日閲覧。
  10. ^ “UPDATE: additional Challenger race at Lausitz”. Red Bull Air Race (2016年9月1日). 2017年4月20日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g “Velarde scorches through the Round of 14 in wet Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2016年7月18日閲覧。

外部リンク

前レース
第3戦 日本の旗 千葉
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ
2016年シーズン
第4戦 ハンガリーの旗 ブダペスト
次レース
第5戦 イギリスの旗 アスコット
パイロット
2019最終年
マスタークラス
2019最終年
チャレンジャークラス
  • フランスの旗 メラニー・アストル
  • フランスの旗 バティスト・ヴィーニュ
  • マレーシアの旗 ハリム・オスマン
  • アメリカ合衆国の旗 ケヴィン・コールマン
  • イタリアの旗 ダリオ・コスタ
  • ハンガリーの旗 ダニエル・ジェネヴェイ
  • ドイツの旗 クラディウス・シュピーゲル
  • ポーランドの旗 ルーク・チェピエラ
  • 中華人民共和国の旗 ケニー・チャン
  • 南アフリカ共和国の旗 パトリック・デヴィッドソン
  • ドイツの旗 フロリアン・バーガー
  • イギリスの旗 トム・ベネット
  • スウェーデンの旗 ダニエル・リファ
元パイロット
チャンピオン
マスタークラス
チャレンジャークラス
シリーズ
2003年 - 2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
  • 第1戦 アブダビ
  • 第2戦 カザン
  • 第3戦 バラトン
  • 第4戦 千葉
機体
2019最終年
過去
関連項目