ブエルタ・ア・エスパーニャ2017(西: Vuelta a España 2017)は、ブエルタ・ア・エスパーニャの72回目の大会である。2017年8月19日から9月10日まで行われた。
参加チーム
特記 |
No. | ゼッケンナンバー |
最終順位 | 最終総合順位 |
| 総合優勝者 (マイヨ・ロホ) |
| ポイント賞獲得者 (プントス) |
| 山岳賞獲得者 (モンターニャ) |
| 複合賞獲得者 (コンビナーダ) |
| 国内選手権ロードレース優勝者 |
<> | 国内選手権タイムトライアル優勝者 |
DNS | did not start 当該ステージ開始前に棄権。 |
DNF | did not finish 当該ステージで不完走。途中棄権。 |
HD | hors des dèlais 当該ステージで所定時間内不完走。タイムオーバー。 |
DSQ | disqualified 当該ステージで失格。 |
スタートリスト
太字はUCIワールドチーム
中字はプロフェッショナルコンチネンタルチーム[1]
選手の出場動向
レース概要
ブエルタ史上3度目のスペイン国外スタートとなった初日のチームタイムトライアルではBMC・レーシングが前評判通りの強さを見せつけ優勝、ロハン・デニスがマイヨ・ロホを獲得[7]。続く第2ステージではイヴ・ランパールトがロングスパートで逃げ切り勝利を飾る[8]。
早くも山岳ステージとなった第3ステージでは、胃腸トラブルなどでラファウ・マイカや、今大会限りで引退するアルベルト・コンタドールら有力選手が遅れてしまう。それを傍目にツール4勝のクリス・フルームがアタック。追いつけたのはエステバン・チャベスのみだったが、下りでロマン・バルデとファビオ・アルも合流する。しかし、牽制が原因で後続に捕まってしまう。ステージ優勝は残り300mの早掛けでライバルたちを引き離したヴィンチェンツォ・ニバリが獲得。遅れたランパールトにかわりフルームがマイヨ・ロホに[9]。
真っ平らなコースレイアウトである第4ステージでは、ゴールスプリントでオリカ・スコットへの移籍を決めているマッテオ・トレンティンが優勝[10]。これによりトレンティンは全グランツール区間優勝達成者となる[10]。翌日に行われた第5ステージの頂上フィニッシュでは、アレクセイ・ルツェンコが独走勝利[11]。メイン集団はコンタドールを先頭に、フルーム、チャベス、マイケル・ウッズと続いてフィニッシュ[11]。第6ステージは逃げ切った3名によるスプリントでベテラン、トマシュ・マルチニスキが優勝[12]。キャリア最大の勝利をあげる。続く第7ステージではジュニアとU-23時代にそれぞれ世界チャンピオンになりながらここまで目立つ活躍ができずにいたマテイ・モホリッチが独走勝利を掴み取る[13]。
第8ステージでは第5ステージから4ステージ連続の逃げ切りが決まる。昨年のツールで見せた走りが記憶に新しいジュリアン・アラフィリップがヤン・ポランツとマイカを下し優勝。メイン集団からはコンタドールがアタック。直後にフルームがカウンターアタックを仕掛け、2名が抜け出す展開に。そのままコンタドールとフルームは逃げ切ってリードを奪うことに成功する[14]。
第9ステージのクンブレ・デル・ソルへの頂上フィニッシュでは、2年前にはトム・デュムランがゴール前でフルームを抜き返して優勝したが、今回はマイヨ・ロホのフルームが他を圧倒[15]。ポイント賞でも首位に立った。第10ステージではトレンティンがホセ・ホアキン・ロハスとの一騎打ちを制してポイント賞首位を奪還[16]。続く第11ステージは残り1kmアタックを決めたミゲル・アンヘル・ロペスが優勝し、総合10位へ浮上[17]。フルームは14秒遅れのステージ2位に入りリードを拡大した[17]。翌日の第12ステージはマルチニスキが鮮やかなアタックを決め独走し、2勝目をあげた[18]。マルチニスキが歓喜に包まれる一方、マイヨ・ロホのフルームは2度落車[18]。アタックを決めメイン集団から逃げ切ったコンタドールやニバリ、チャベスなどからタイムを失った[18]。
アンダルシア山岳2連戦の前日に控えた第13ステージ、途中でオマール・フライレが体調不良を理由にレースから離脱[19]。山岳賞最有力候補が去り、ディメンションデータは残すところ3人となった[19]。最終スプリントではポイント賞のトレンティンがスプリントで負けなしの3勝目をあげるも、チームの総合エースであるダビド・デ・ラ・クルスが分断により7秒を失った[19]。翌日第14ステージは前半戦の胃腸トラブルで総合成績を諦めざるを得なかったマイカがシーズン4勝目を飾る[20]。後続はロペス、ニバリ、フルームと続き、ニバリはボーナスタイムでフルームとの差を縮めることに成功[20]。第15ステージではロペスが鮮やかに逃げ切りを決め優勝[21]。フルームは暫定総合2位のニバリとの差1分1秒で得意のタイムトライアルに臨むことになった[21]。
今大会唯一の個人TTの第16ステージではフルームが圧勝し、ニバリとの差を1分58秒にまで広げた[22]。しかし、ロス・マチュコスへの頂上フィニッシュとなった第17ステージ、最後の登りでフルームはアタックを仕掛けたコンタドールやニバリの先行を許してしまい、ステージ優勝したシュテファン・デニフルに続き28秒差のステージ2位に入ったコンタドールからは1分24秒、ニバリ、ザカリンらから42秒差を縮められてしまった[23]。それでも翌日第18ステージには、フルームはニバリを19秒引き離すことに成功[24]。ステージ優勝はプロ8年目にして漸く初勝利となったサンデル・アルメーが獲得[24]。第19ステージはトーマス・デ・ヘントが逃げ集団のスプリントを制し優勝[25]。ロット・ソウダルは4勝目をあげた。
アングリルへの頂上ゴールとなった第20ステージ、アングリルの一つ前のコルダル峠の下りでコンタドールがアシストのハルリンソン・パンタノとともにメイン集団から先行し、アングリルの登りで逃げ集団に合流。そして、残り5kmでコンタドールがついに単独先頭に立つ。メイン集団からはニバリが千切れ気味になったところでフルームがアタック。アシストのワウト・ポエルスも追いつき、コンタドールとの差を縮めていくが、コンタドールには届かず。現役最後の山、アングリルでコンタドールは有終の美を飾った[26]。
最終ステージではトレンティンが4勝目をあげた[27]。フルームは無事にフィニッシュし、史上初のツール・ブエルタのダブルツールを達成した[27]。
日程
各賞の変遷
最終成績
個人総合成績
ポイント賞
山岳賞
複合賞
チーム総合成績
脚注
- ^ ブエルタの正式スタートリスト発表 22チーム、33カ国、198名の平均年齢は27歳222日 - cyclowired.jp 2017年8月19日付
- ^ 当初はサムエル・サンチェスが出場予定だったが、GHRPs(成長ホルモン放出ペプチド)のAAF(違反が疑われる分析結果)が出たため、代理で出場。
- ^ ブエルタに出場予定だったサンチェスがレース外検査で禁止薬物GHRPs陽性-cyclowired.jp 2017年8月17日付
- ^ ツール・ド・フランス期間中に患った股ずれの影響で当初不出場だったが、ラファエル・バルスがトレーニング中に腰骨を骨折したことにより急遽出場が決定した。
- ^ チームメイトの負傷によりハンセンのブエルタ出場が決定 19連続グランツール出場へ -cyclowired.jp 2017年8月8日付
- ^ ブエルタの開催時期が9月に移ってから
- ^ 宮本あさか (2017年8月20日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第1ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月21日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第2ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月22日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第3ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年8月23日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第4ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年8月24日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第5ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月25日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第6ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月26日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第7ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月27日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第8ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月28日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第9ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年8月30日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第10ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年8月31日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第11ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b c 宮本あさか (2017年9月1日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第12ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b c 宮本あさか (2017年9月2日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第13ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年9月3日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第14ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年9月4日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第15ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年9月6日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第16ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年9月7日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第17ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年9月8日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第18ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年9月9日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第19ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ 宮本あさか (2017年9月10日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第20ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
- ^ a b 宮本あさか (2017年9月11日). “ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第21ステージ レースレポート”. J SPORTS. 2017年9月16日閲覧。
参考文献
- La Vuelta ciclista a España 2017 - cyclingfever.com (英語)
- ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 - cyclowired.jp
- ブエルタ2017はやはり「クライマー主役」 全21ステージ解説と3週間のレース予想 - cyclist.sanspo.com
外部リンク
- ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 総集編(今年もイロイロありました!) - YouTube(J SPORTS提供、2017年9月10日公開)
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